如月
きさらぎのいろいろ
1.如月について
如月(きさらぎ)は代表的な和風月名。「衣更着」とも書く。
「きさらぎ」という呼び名の語源は、
@ 二月はまだ寒さが残っているので、衣を更に重ね着する月、というのを「きぬさらにき月」
   と言い、短くなって「衣更着」となった。
A 「草木張月」(くさきはりづき→きはりづき→きさらづき→きさらぎ)草木の芽の張り出す月だから
   この名が付いた。
B 旧暦の二月は、燕が来る時候であるとされ、去年の旧暦八月に雁が飛来し、更に燕がやってくる月
   なので「来更来」となった。
C 「萠揺月」(きざゆらぎつき)の略。
2.行事
◎節分 
雑節の一つで季節の変わり目のこと。立春、立夏、立秋、立冬の前日をすべて節分と言うが、今残ってい
るのは、立春のみである。
旧暦では、一年の終わりの日にあたり新年のために災厄や邪気を祓い、福を招く必要がありました。
豆を使った理由は、一説によると、鞍馬の山奥に鬼が住んでいました。毘沙門天が「鬼退治には三石三斗
の豆で鬼の目を打て」と教えた。鬼の目を打つので「魔目」または「魔滅」に通じるからとされる。
※豆まきの仕方
   一、豆は一升桝下三方に盛り、神棚に供える。福豆といい、翌日にまく。
   一、豆は日暮れまでに三回に分けて煎る。
   一、節分の夜、八時〜十時の間に行う。玄関からまき初め、各部屋に続いていく。戸や窓はすべて開け
      外に向かって「鬼は外」を二回、内に向かって「福は内」二回繰り返しながら豆をまく。
   一、まき終わったら、鬼を閉め出し、福を逃がさぬようすぐ戸を強く閉め音をさせながら閉める。
   一、その後、豆を年の数だけ食べる。厄年の人は一つ多く食べ、早く厄年が終わるようにと願う。
      飛び散った豆は、残しておき初雪の日に食べると、無病息災、落雷除けのおまじないになる。 
☆二月の代表菓子
*うぐいす餅
      うぐいす餅の元祖は、奈良県大和郡山市・菊屋の「御城之口餅」になり、戦国時代末期、菊屋
      初代は豊臣秀長より土地を与えられ、御用菓子屋として商っていた。
      新作として献上した菓子、薄い餅生地で小豆餡を包み、豆の粉をまぶした物、それを茶会に来
      ていた秀吉に気に入られ、「鶯」と命名した。
*わらび餅  
       
*椿餅


蕨は別名「山根草」と呼ばれ古来より春を告げる植物として親しまれてきた。
蕨澱粉の特産地は、岐阜高山、奈良、福岡、長野などですが、生産量は非常に少なくなった。
要因は、原料の根茎が無い。それと、精製に大変手間と時間を要し、生産者の高齢化により
著しく少なくなった。そのため、非常に高級なわらび餅になった。純に蕨粉だけで作られるわらび餅は、
そんなに無いと言えよう。
日本の最古の長編小説『宇津保物語』、『源氏物語』に「つばいもちい」として出てくる。
唐菓子の一種で、「椿の葉を合わせ、もちいの粉にあまずらをつつみたるなり」ということから
日本で最初の餅菓子といえる。