●ゆずり葉
春、新芽が出てそれが大きくなってから古い葉が落ちるので
「譲り葉」という。家の繁栄に繋がるとされます。
●裏白
葉が両方から相対して出ているので、諸向きと言われさらに
葉の裏が白いので、後ぐらいの無い清浄の心を表す。
●橙
冬に熟れて黄色くなり、春先にまた緑色になる。木から
落ちずまた冬に黄色くなるので子孫繁栄を願う縁起物です。
●三方
鏡餅を乗せる台。尊い相手に物を差し上げるときには
台に乗せることが礼儀とされました。
正 月 飾 り
★睦月正月の風習いろいろ
旧暦時代の一年十二ヶ月の和風月名は多彩で季節感豊かです。
『睦月』はその代表的な和風月名で、旧暦一月の異名です。
その由来はいろいろありますが、もっとも有力な説は、室町や
鎌倉時代の文献に、「正月は身分の上下無く、老いも若きも互いに
往来し拝賀し、親族一同が新年の良き日を祝うという睦び月の意味で
ムツビツキがムツキになった」という説がもっとも有力な説です。
1.睦月について
一年の最初の月、また新年の祝い、行事もさします。「正」が年の初め、
年の改まる意味があるとされます。
かなり昔は、盃蘭盆と同調し、半年ごとに先祖の魂を迎えて祭る行事とされました。
仏教が浸透しはじめると、盃蘭盆は先祖供養の仏教行事、そして正月は、歳神様を迎え
新年の豊作と家内安泰を祈る月として執り行われるようになりました。
2.正月の由来
日本の信仰として、身近にあるすべての物に神が宿る
とされ、前の年の作物の豊作を神に感謝すると言うことで餅を突き、橙、エビ、裏白等を飾って、次の年の繁栄
を感謝と共に願う物です。
●エビ
ひげが長く、腰が曲がるまでと言う長寿の意。
●昆布
「喜ぶ」と言う意味合い。別名、広布(ふろめ)夷子布(えびすめ)
飾り方
三方の上に、四方紅または奉書をのせ
鏡餅を置く。その四隅に裏白とゆずり葉を
おき、餅の上には御幣または昆布をそして
橙をおく。さらにその上に、根小松を
抱かせたエビを水引(金銀)で結わえる。
三方
(さんぽう)
裏白
(うらじろ)
御幣
(ごへい)
四方紅
(しほうべに)
橙
(だいだい)
◇鏡餅
天照大神が再び岩戸に帰られないように縄を引き渡したと言う天岩屋戸の伝説に由来され
神前や神事の場に引いて、清浄な区域(結界)であることを意味しています。
◇注連縄
正月には、その年の歳神が各家庭を訪れると信じられてきました。
神は、木の梢を伝って降臨するためにおめでたい樹木を家の門や玄関に
立てて神を迎えようとするのが起源とされています。
平安初期の頃は、内裏や都の家々の門口に柊を立てて注連縄を張ってボラ等の
頭をさしていた。
本飾りは、祭を中心にして三本。竹をまとめ、荒縄で七五三縛りにします。
(下から七巻、五巻、三巻結び目を見せて縛る)裾はわらや細切り竹を巻いたり
します。松を挿し、縄で編んだ梅を飾ったりして松竹梅に仕立てます。
飾り付けは12月28日までに飾ります。29日は「九松」で「苦待つ」になり避けます。31日は「一夜飾り」として嫌われます。
取り外すときは、一般的には七日が多く、小正月にどんと焼き、さいど焼き、やははいろ
として、松飾りは焼きます。
◇門 松
●元旦
一年の初始の旦(あさ)のこと。「旦」は地平線から昇る太陽の象形文字。
●おせち
正月や五節供など節目に神に供える御節供の略。直会で神に供えた神饌を下げ
家族でいただくのが本来のおせち。
現在は一の重に口取りとして、きんとん、蒲鉾、伊達巻き、数の子、田作り、黒豆
二の重には焼き物として、小鯛の塩焼き、鰤の照り焼き、鶏肉の松風焼きなど
三の重には煮物類で、八つ頭、牛蒡、人参などの煮染め、昆布巻き、
予の重は酢の物で、紅白なます、菊花かぶなどを詰める。
★一月の代表菓子
花びら餅
新年を祝うお菓子の一つに「花びら餅」があります。そのルーツは、宮中に伝わる
正月の行事食「菱葩」です。「菱葩」は宮中のおせち料理の一つ。形状は花びら餅
と同じですが、甘味はありません。この「菱葩」は元来歳を固め、長寿を願う「歯固め」
の儀式に因むとされています。
花びら餅の牛蒡は、押鮎に見立てられ、牛蒡は地中深く根を張ることから家内安泰を願い
精気を養うという意味、味噌は邪気を祓うとされています。