機関紙「全国一般福井」 241号(2009年3月4日)
2009春闘、要求書提出でスタート
いよいよ2009春闘の交渉が本格的にスタートします。2月27日が福井労組の統一要求日になっており、この日を中心にして各職場で春闘の要求書を提出しています。今年は、連合が物価上昇分をベースアップとして要求するとして、中小組合の統一要求として定期昇給分を含めて9,000円以上という要求目安を打ち出しています。これに基づいて、全国一般福井では、格差是正分を含めて10,000円以上を統一要求基準とすることを決定しました。【各支部の要求は裏面の春闘要求一覧を参照して下さい】
昨年秋以降の不況の影響によって、各職場とも厳しい回答が予測されますが、消費者物価が高騰している中で私たちの生活水準を維持していくために要求どおりの賃上げを実現することが不可欠です。一致団結して要求実現に向けてカンバロウ!!
――2/20嶺南、2/24鯖丹南越、2/27福井、3/3奥越
第4回地域学習会を県内4ヶ所で連続的に開催しました。2月20日に嶺南地域学習会を永大敦賀において開催し、2月24日には、鯖丹・南越地域学習会を労金鯖江支店において開催しました。2月27日に福井地域学習会をユニオンプラザ福井で、3月3日に奥越地域学習会を労金大野支店において開催しました。今回の学習会は、「不況の下で労働者の生活と権利をいかに守るのか」というテーマで、東京品川の京品ホテルの解雇撤回闘争について取材したテレビ番組を上映し、京品ホテルの闘いに学ぶと共に、各職場の状況について報告し、討論しました。とりわけ嶺南学習会では、友好労組の全港湾敦賀支部と敦賀セメント労組の仲間、そして石川地本の林ベニヤ支部の仲間にも参加していただき、それぞれの職場の状況について報告を受け、交流を深めました。(詳しくは報告集を発行します)
2月21、22日に新潟市において全国一般評議会の第6回青年・女性部交流会が開催されました。連合新潟の斉藤事務局長から「雇用悪化に伴う青年・女性労働者の取り組みについて」と題する講演を受け、その後、各地方労組の青年・女性部の活動報告がありました。この中で、それぞれの地本の青年・女性部が学習会や映画会、レクリエーションなど創意工夫を凝らした取り組みを行っていることが報告されました。福岡地本では、福岡大和倉庫分会で解雇撤回闘争を闘ってきた組合員が他の職場に移って新しく組合を立ち上げたことなどが報告されました。福井労組からは、千田執行委員が福井労組でも今年から青年・女性交流会を開催することを報告しました。翌日は、3つの分科会に分かれて、「組織強化と拡大」「職場と雇用を守る」「平和と民主主義を守る」といったテーマで意見交換を行ないました。各地本の青年・女性部とも若い組合員の自主性を活かした取り組みを行っていることが印象に残りました。
2/11北信越ブロック春闘討論集会
2月11日、富山市において全国一般評議会北信越ブロックの2009春闘討論集会が開催されました。京品ホテルの解雇反対闘争を取材したビデオを上映し、高原副議長がこの闘いの意義を提起し、不況を理由とした解雇攻撃に反撃する闘いを組織していくべきことを訴えました。また、富山労組の斉藤製作所支部において不当解雇撤回を求める裁判闘争を闘っている松井夫妻が闘争の経過を報告しました。最後に各地方労組からの報告を行いました。福井労組からは小林書記長が松原病院支部での給食業務の外部委託反対の取り組みなどを報告しました。
Q.不景気なのにどうして高い賃上げ要求を掲げるのですか?
【ある支部の組合事務所での会話です】
組合書記長Aさん 今年の春闘の賃上げ要求はどれくらいがいいと思う?
執行委員Bさん どうせ今年は、不況だから高く要求しても賃上げは難しいんでないの。
Aさん 連合は、定期昇給分として4,500円、ベースアップとして4,500円、合計で9,000円以上を中小企業の労働者の要求目安としているんや。全国一般は、それに大手企業との格差是正分を加えて1万円以上を要求基準にしているんやけど。
Bさん でも、連合は、景気が良かった時にも、ベースアップなんて言ってなかったのに、なんで景気がわるなってからそんなに高い要求だすんや。ようわからんわ。
Aさん 連合は、今不景気やで、内需を拡大するために賃上げしろって要求しているんやわ。
Bさん そんなこと言っても、会社に相手にされんわ。あのトヨタとか、パナソニックとかの大企業でも定期昇給も難しいって新聞に書いてあったざ。
Aさん でも、そうした大手企業は、昨年まで史上最高の収益を上げて、何兆円も内部留保、つまり貯金を持っているんやよ。でも、それらを使わずにいきなり派遣切りや正社員のリストラで人件費を大幅にカットしようとしているんやで、納得いかんの。
Bさん なんやそうなんか、それはひどいの。でも、うちらの会社は、そんなにもうかっとらんのやろ。どだい毎年、定期昇給分の確保も難しいのにあんまりかけ離れた要求を出しても話がまとまらんのじゃないんか。
Aさん Bさんは随分物分りがいいの。賃上げは、私たちの組合員の生活を維持するのにどれくらいの賃金が必要か、ということを基準に考えるべきだと思うんやけど。昨年、消費者物価が1.5%ほど高騰したで、その分を賃上げしてもらわんと生活は苦しくなるでの。
Bさん そりゃ本当は、たくさん上げて欲しいわ。子供が今年から高校生やし、お金かかるで。でも、あんまり高く要求しても、社長を怒らせるだけで話にならんやろ。
Aさん 確かにうちらの組合だけが、高い要求を掲げたんでは、相手にされんかもしれんけど。だからこそ、全国一般や、同じ地域の組合が足並みをそろえて統一要求を掲げて交渉するんや。
Bさん ほやの他の組合がそれで頑張っているんやったら、うちらの組合もちゃんと要求しといた方がいいかな。
Aさん そうやろ、こういう厳しい時にこそ、自分の会社の中だけで考えるんじゃなくて、地域の連帯が重要になってくると思うんや。
Bさん それでも結構厳しいとは思うけど、うちらの組合も頑張らなあかんの。