機関紙「全国一般福井」 240号(2009年1月26日)


1/25春闘討論集会・旗開きを開催

 125()、福井県職員会館において2009春闘討論集会を開催しました。まず最初に松永委員長が挨拶に立ち、不況を理由とした賃上げ抑制に抗して春闘を闘いぬくべきことを呼びかけました。次に小林書記長が2009春闘方針()を提起しました。小林書記長は、昨年の秋以降、非正規労働者のみならず正規労働者の解雇も行なわれ始めた現状について報告し、雇用と生活を守る闘いとして2009春闘に取り組むべきことを訴えました。そして、平均賃上げ要求基準は、全国一般評議会の要求基準にそって定期昇給分を含めて1万円以上とすることを提案しました。続いて、酒井書記次長が討議資料に掲載されている生活実態アンケートと賃金調査の結果について説明しました。質疑討論では、福井県自動車学園支部の南部書記長が自動車学園支部の春闘交渉の状況について報告し、一時金の満額支給のために粘り強く交渉を行なっていく決意を明らかにしました。


全国一般評議会の田島特別幹事が講演

 休憩の後で、全国一般評議会の田島特別幹事から「中小労働運動の発展のために」と題する講演を受けました。田島特別幹事は、最初に「年越し派遣村」で実際に労働相談・生活相談などを行なった体験について紹介し、非正規労働者の悲惨な状況を改善していくために労働組合としても取り組んでいく必要があることを訴えました。合同労組運動の重要性を説明し、自治労との統合を踏まえて全国一般としての主体性をさらに強化していくべきことを呼びかけました。質疑討論とで、松原病院支部の坂東副委員長が職場の厳しい状況の中での交渉の進め方について質問すると同時に、栄養科の外部委託の動きを組合の取り組みによってストップさせたことを報告しました。最後に松永委員長の音頭で団結カンバロウを三唱し、閉会しました。

 同じ会場で午後430分から、多くの来賓を招いて団結旗開きを開催しました。旗開きでは、各来賓から総選挙での政権交代に向けた意気込みが語られました。連合福井の山岸事務局長の音頭で乾杯し、和やかに歓談を行ないました。最後に平柳副委員長が2009年を福井労組の飛躍の年にしようと訴え、中締めとしました。

松原病院支部で給食業務の外部委託をストップ!

 松原病院支部において、昨年秋に経営側が人件費の削減を目的にして20093月を目途にして栄養科の業務(給食部門)を外部業者に委託し、調理職を廃止することを検討していました。栄養科には、調理師の組合員が約20名います。この動きをつかんだ組合は、11月19日に職場集会を開催しました。その中で栄養科の組合員たちが職場を奪われることへの不安を訴え、これに応えて他の組合員からも経費削減を目的とした外部委託は許せない、という発言が相次ぎました。そして、栄養科の組合員がこれまでと同じ職場で働き続けられるように栄養科業務の外部委託に反対するという執行部提案を決議しました。その後、職場で栄養科の外部委託反対の緊急署名に取り組みました。

 この職場集会を受けて、121日、労使協議会を開催し、組合執行部が栄養科業務の外部委託に反対であることを経営側に通告しました。これに対して経営側は、組合側のすばやい反対行動に驚き、外部委託は計画しない、ということを確約しました。現在、多くの病院で給食部門の外部委託が進み、そこで働く労働者が外部業者に転籍させられ、賃金が切り下げられたりしています。そうした中で、組合員の団結によって経営側の動きをストップすることができたことは大きな意義があることです。


2009春闘方針(案)平均賃上げ要求基準

・全国一般評議会の平均賃上げ要求基準

連合の要求基準を基礎に、生活向上・格差是正分を加えて組合員平均10,000円以上となっています。その根拠としては以下のようになっています。

  1.定期昇給相当分    4,500

  2.生活向上・格差是正分 5,500円以上

・全国一般福井労組の平均賃上げ要求基準

全国一般評議会の要求基準に沿って、

定期昇給分を含めて組合員平均10,000円以上とします。

【統一要求日】      227()  

【回答指定日】 《第一次》317()19()

          《第二次》323()27()

全国一般福井労組2009春闘方針()骨子

(1)業績悪化を理由とした賃上げ抑制をはね返し、積極的に賃上げを要求します

 経営者は、今春闘において不況による業績悪化や先行きの不透明さを理由として賃上げの抑制を迫ってくる恐れがあります。しかし、私たち労働者は、月々の賃金によって生活を維持しています。つまり、賃金は生活給であり、不況になったからといって賃上げを抑制されれば、いよいよ生活が成り立たなくなります。とりわけ、昨年は食料品を初めとして消費者物価が1.5%も高騰し、実質賃金が目減りしています。私たちの生活水準を維持させるためには積極的な賃上げが不可欠です。定期昇給分に加えて、物価上昇分、生活向上・格差是正分を含めた基本給の引き上げを目指して闘うこととします。

(2)雇用の確保・労働条件の改善に向けて取り組みます

 賃金カットや人員削減提案に対しては、会社の経営実態を開示させ、投機的な資産運用による損益や放漫経営などによる経営悪化に陥っていないかなどを点検し、経営責任を明確にさせる必要があります。そして、福井労組役員と連携を取りながら、組合員の団結を基礎にこうした攻撃を跳ね返していくこととします。また、長時間労働やサービス残業を撤廃させ、安心して働くことのできる労働条件を獲得することも春闘の重要な課題です。

(3)職場の非正規労働者の待遇改善に取り組もう

 非正規労働者の削減は、職場における正規労働者の長時間労働や労働強化によるストレスの増加につながってきます。それだけではなく、経営者は、非正規労働者の削減の次は組合員に対する希望退職などの退職勧奨や賃金カットを強要してくる恐れがあります。春闘の中で企業内最低賃金のアップなどを要求し、非正規労働者の待遇改善をも含めて職場環境の改善を要求していくこととします。

(4)たたかう春闘の再構築を目指して、地域共闘の構築に向けて取り組みます

 春闘の出発点は、それぞれの企業ごとの交渉では経営側に押し切られてしまうという弱さを克服するために、業種や産別を越えて地域共闘を基礎にして統一要求を掲げて闘い始めたことにあります。統一闘争によって、中小や業績不振の産別にも波及効果をもたらし、労働者全体の賃金水準を引き上げていくことにつながっていくのです。こうした春闘の原点に立ち返り、自治労の仲間とも連携し、地域共闘を再構築するために積極的に取り組んでいくこととします。そして、今年も自治労が行なうスト権批准投票に参加し、ストライキ権の確立を含めた闘争体制を構築していくこととします。

自治労と全国一般との組織統合が実現

―――組合名称が全国一般福井地方労働組合に変更

 全国一般と自治労との県段階の統合協議は、昨年1226日に成立し、完全統合が実現しました。但し、石川・岐阜・福井の場合には、全国一般は自治労県本部に形式的に所属しますが、権利義務関係は自治労中央本部に直結します。このため連合福井、平和センターは従来どおり産別として直加盟となります。統合に伴い、全国一般労働組合福井地方本部の名称が、全国一般福井地方労働組合に変更になりました。

HOME