機関紙「全国一般福井」 236号(2008年8月22日)


7/25支部交流会を盛大に開催

 725()、毎年恒例の支部交流会をリライムにて開催しました。今年は、例年よりも多い82名の参加があり、広い屋内会場が一杯になるほどでした。乾杯の前に、平柳副委員長より日頃の地本活動へのお礼などを含めたあいさつがありました。しばらく歓談の後、恒例のジャンケン大会を行いました。これは、参加者からのカンパを各テーブルの代表者がジャンケンのトーナメントで勝ち取るものです。優勝者のテーブル全員にカンパが配分されるとあって、テーブル代表者が「グー、チョキ、パー」の札を上げるたびに各テーブルから歓声があがり、大変盛り上がりました。今年は猛暑が続いており、涼しい室内で快適に過ごせると思いましたが、参加者の熱気で冷房が感じられないほどでした。【小林執行委員・福井県米穀支部】


原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会


 719日、神奈川県横須賀市の横須賀ヴェルニー公園において「原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会」が開催されました。日米両政府は米海軍横須賀基地を母港としている通常動力空母キティーホークにかわって原子力空母ジョージ・ワシントンを配備することで合意し、9月中には配備されようとしています。この空母には美浜2号機並みの出力を持った原子炉を2基積み込んでおり、さらに戦闘機の燃料とミサイルの火薬等を多量に積み込んでいます。このような空母がもし東京湾内でメトルダウン(炉心崩壊)したとき首都圏住民への大きな被害が予想されます。これを阻止するために、この集会に全都道府県から15,000名にのぼる組合員・市民が結集しました。集会では社民党党首福島みずほ氏などから連帯挨拶がありました。福井からは平和センターを通じ30名ほどの参加があり、福井地本から3名(竹中・千田・平柳)が参加しました。集会後、原子力空母の横須賀配備反対を訴えプラカードを掲げてデモ行進をしました。【平柳副委員長・センイ倉庫支部】

【解説】 原子力空母の横須賀母港化の危険性

 アメリカ政府が横須賀に配備しようとしている原子力空母は、現在米日が共同で進めているミサイル防衛構想(MDシステム)の中枢をなすものです。この構想は、中国・ロシアの核ミサイルに対抗し、空中でそれを打ち落とすというものです。この迎撃ミサイルを積んだ自衛隊のイージス艦に指揮命令を発する役割を果たすのが今回配備されるアメリカの原子力空母です。ロシアは、アメリカのMDシステム配備に強く反発しており、今回の原子力空母の配備によって軍事的な緊張がより一層高まる恐れがあります。また佐世保や沖縄に度々寄港していたアメリカの原子力潜水艦が2006年から放射能漏れ事故を起こしていたことが今年7月に発覚しました。今回横須賀に配備される原子力空母も、今年5月に大きな火災を引き起こしています。もし、東京湾内において事故を引き起こせば、放射能により首都圏一帯に大きな被害をもたらします。

夏季一時金闘争、昨年をやや下回る妥結

 夏季一時金闘争は、全支部の単純平均は、1.73ヶ月と去年を0.05ヶ月分下回りました。昨年より増えた支部は、2支部のみで、昨年並みが5支部、昨年を下回った支部が3支部でした。昨年を下回った支部は、住宅着工件数の低下やガソリン代の高騰などによる業績悪化の影響です。この夏季一時金交渉の中で、ガソリン代の高騰に伴い通勤手当の見直しを要求した支部が多かったのですが、ガソリン代に連動して通勤手当を見直している支部を除いては、どの支部も継続協議になっているという状況です。通勤手当に関しては、今後も粘り強く交渉していくことが必要です。


高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開を阻止しよう!

 8月20日、原子力機構は、高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開時期を予定していた10月から来年2月に延長すると発表しました。「もんじゅ」は95年のナトリウム漏れ事故を引き起こして以来、運転を停止しています。政府・原子力機構は、運転再開を目指してプラント確認試験を行なってきましたが、その最中にナトリウム漏えい検出器の誤報と連絡遅れが相次ぎました。それにより原子力機構の安全対策のズサンさが再び浮き彫りになりました。
 また「もんじゅ」は、地震に対する備えという面でも大きな危険性をはらんでいます。それというのも、能登半島地震や中越沖地震など相次ぐ大震災の発生によって、これまでの政府や電力会社による活断層調査のズサンさが浮き彫りになっています。専門家からは、「もんじゅ」の原子炉の直下を活断層が横切っていることを指摘されてきましたが、最近になってようやく原子力機構もこの活断層の存在を認めました。しかし、原子力機構は、耐震強度については問題なしとして、あくまで「もんじゅ」の運転再開を急いでいます。「もんじゅ」は、普通の原発と比較しても配管が薄く、長く設計されていることから地震に弱い構造になっています。もし「もんじゅ」が運転を再開した後に敦賀半島に大きな地震が起これば、甚大な放射能被害を生み出すことになりかねません。こうした危険な「もんじゅ」の運転再開を絶対に許してはなりません。

「原発はクリーンエネルギー」?!――原発の運転を正当化する詭弁

 CO2などによる地球の温暖化問題が、今年7月に洞爺湖で開催された先進国サミットの主要テーマとなりました。その中で、「CO2を出さない原発は温暖化対策の有効な手段」ということが議長宣言に盛り込まれました。しかし、原発が本当にクリーンなエネルギーなどと言えるのでしょうか? 確かに原発は、火力発電所に比べてCO2の排出量が少ないとは言えますが、しかし、そのかわりに放射性廃棄物を大量に生み出します。この最終処分の方法はいまだに決まっていません。しかも、アメリカのスリーマイル島原発やソ連(現ロシア)のチェルノブイリ原発のような大事故を引き起こせば、環境や人体に取り返しのつかない放射能被害をもたらします。

 もともと原発は、核兵器製造技術を応用したもので、オイルショックなどにより石油の価格高騰に対応して推進してきたものです。決して環境対策を真剣に考えて原発が開発されたわけではありません。今日、再び石油価格が高騰している中で、アメリカや日本などの各国政府は、原発の新増設の動きを強めています。しかし、「温暖化対策に原発は有効」という主張は、喫煙者にタバコをやめさせる代わりに麻薬を勧めているようなものであり、全くの詭弁でしかありません。つまり、「温暖化対策」の美名の下に原発を増やしていくことは、より深刻な環境破壊を生み出すものなのです。


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