機関紙「全国一般福井」 235号(2008年7月10日)


3回地域学習会を奥越・嶺南で開催

―――学習テーマ「知っておきたい労働基準法」

7/4奥越地域(会場/労金大野支店)

7/7嶺南地域(会場/永大敦賀)

嶺南学習会には、全港湾労組・敦賀セメント労組の仲間も参加

 現在、第3回地域学習会を県内各地で開催しています。すでに74日に奥越地域、77日に嶺南地域で学習会を実施しました。今回は学習テーマを「知っておきたい労働基準法」と設定し、長時間労働・サービス残業による過労死・過労自殺が急増している問題や派遣など非正規労働者の劣悪な労働条件の問題などを通して、労働基準法が無視されている実態を学習し、労働者の権利を守るために労働組合の役割の大きさを確認しました。嶺南地域学習会には、前回に引き続いて全港湾敦賀支部の仲間と今回から敦賀セメント労組の仲間が参加し、それぞれの職場での労働条件改善に向けた取り組みを報告してくれました。

6/28柏崎刈羽原発を廃炉へ全国集会

 628日、新潟県柏崎市みなとまち海浜公園において「柏崎刈羽原発を廃炉へ全国集会」が開催されました。昨年716日に発生した新潟県中越沖地震によって、柏崎刈羽原発は耐震設計の基準値を5倍も上回る地震動に見舞われ、原子炉やタービン建屋が傾くなどの大きな被害を受けました。これは原子炉設置許可が誤りだったことを示しています。にもかかわらず、東京電力は、今年中に原発の運転を再開しようとしています。これを阻止するために、この集会に全国各地から900名にのぼる組合員・市民が結集しました。集会では、柏崎現地からの報告に引き続いて、浜岡、志賀、福井、島根などの各地で原発反対運動を進めている方から連帯挨拶がありました。福井からは反原発県民会議の小木曽事務局長がもんじゅの運転再開阻止を訴えました。

 集会後、柏崎刈羽原発の廃炉を求めて柏崎市内をデモ行進しました。





ドキュメンタリー映画『靖国』を鑑賞しよう

中国人の李監督が製作した映画『靖国』は、815日に靖国神社を訪れる様々な人々の実像を通して日本のアジア侵略にまつわる日本の歴史を浮き彫りにしています。しかし、この映画製作に文化庁所管の独立行政法人から助成金が支出されていたことを自民党の稲田議員らが問題とし、事前検閲に等しい国会議員向けの試写会を行なわせました。これを契機に右翼団体が騒ぎはじめ、東京・大阪等で上映を予定していた映画館が一旦上映を中止し、社会問題となりました。

これに対して、「表現の自由」を抑圧するような社会にしてはならないという問題意識から福井県平和センターは、他の団体と共同で『靖国』上映実行委員会を結成し、メトロ会館で『靖国』を上映することとなりました。この映画『靖国』を観る運動を広げていくために、ご協力を宜しくお願いします。

前売り券

1,000(当日券1,500円のところ) 希望枚数を申し込んで下さい。

会  場

メトロ劇場(福井市順化1-2-14TEL0776-22-1772)

上映期間

712日(土)

25()

816()

22()

823()

95()

上映時間

11:00〜、13:20〜、19:00

11:00〜、19:00

11:00

※上映30分前頃から発行する整理券がなくなると入場できませんので注意して下さい。

過労死・ワーキングプア急増の

今の時代を映しだす小説『蟹工船』   

 今、戦前の作家・小林多喜二が執筆したプロレタリア小説『蟹工船』が派遣社員などの非正規雇用の若者の間で共感を広げているといいます。この『蟹工船』は、戦前の北海道・カムチャッカ沖を舞台に、水揚げした蟹を船の中で缶詰に加工する「蟹工船」の中での過酷な労働の実態をリアルに描いた小説です。

東北の農村・漁村の若者や、北海道の炭鉱夫、そして東京の貧しい学生たちが、周旋屋(今の派遣会社)に騙されて船に乗せられ、会社側の現場監督によって極寒の海の上で何ヶ月間も命を削りながら働かされます。荒れた海に漁に出て命を落とす者、栄養失調から病気で働けなくなり見捨てられる者。仕事をサボって半殺しにされる者。まるで地獄のような労働現場の中で、現場監督の暴力に怯えていた労働者たちは、やがてサボタージュなどの反抗を始めます。そして、病気にかかった仲間の無残な死をきっかけにして、「殺されたくない奴はついて来い」という一人の労働者の掛け声を合図にして労働者たちは、現場監督に対して労働条件の改善を求めてストライキに立ち上がります。しかし、自分達の船を守ってくれていると思っていた帝国海軍が会社の連絡を受けてストライキの鎮圧に乗り出してきます。それを通じて労働者たちは、「頼れるものは自分達しかいない」ということを自覚します。

 今なぜこの小説が派遣労働者の若者たちに共感を呼んでいるのでしょうか。この小説には、主人公と呼べるような人物は登場しません。名前のない漁夫や水夫、雑夫などです。その彼らが過酷な労働の中でやがて自分達の力に気がついていきます。そうした姿に、いつ仕事が打ち切られるか分らない不安と低賃金による貧困に苦しむ自分達の姿が重るのではないでしょうか。しかし、それは決して私たちにとっても無縁なことではありません。一部大手企業が最高収益を上げている反面で、中小の職場では賃金や労働条件の切り下げが続いています。そうした中で私たち組合員もまた、『蟹工船』に描かれている労働運動の原点に立ち戻ることが必要なのではないでしょうか。














































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