<提  言>

わが国ヘリコプター救急の
進展に向けて

 

 HEM−Netは3月25日、全国町村議員会館でシンポジウム「ヘリコプター救急の進展に向けて」を開催、下記6項目の提言を発表した。

 この提言と共に、提言の根拠ともなったわが国ヘリコプター救急の現状に関する調査、分析の結果を「わが国ヘリコプター救急の進展に向けて」と題する報告書(A4版80頁余)によって公表した。

 なお、シンポジウム参会者はおよそ150人。詳細は近く報告書にまとめて印刷公表すると共に、本頁にも掲載の予定。シンポジウムの内容は、別添プログラムの通りである。

 われわれHEM-Netは、ヘリコプターの活用によって救急患者の救命率が大幅に向上することは、最早、疑いを入れないところであり、「避けられ得る死」を回避するため、ヘリコプター救急の全国的な普及を図ることが急務であると考え、以下のとおり提言する。

1.ヘリコプター救急のあり様は、都道府県ごとに検討し、決定すること。

 われわれが、全国的に配備すべきであると考えるのは、医師等が同乗して速やかに救急現場に赴き早期に治療を開始するとともに、救急患者を迅速に最適の医療機関に搬送する本格的な救急専用ヘリコプター(以下、「救急ヘリ」という。)である。

 そのような救急ヘリシステムの構築を、消防・防災ヘリ等の救急運用によって行うのか、ドクターへリの導入によって行うのか、あるいは、その両者の組み合わせによって行うのか、構築のあり様は、都道府県ごとに検討し、決定されるべきことである。

 各都道府県は、関係機関、学識者等による救急ヘリ配備検討委員会を設け、当該都道府県の実情に最も合った救急ヘリのシステムを検討し、構築すべきである。

2.救急ヘリ運航費用を医療保険給付の対象に加え、費用負担の分散を図ること。

 現在、ドクターヘリの導入促進を妨げている最大の理由は、費用負担の問題であり、その全額を公費で賄う現行の方式に再検討を加えることが求められている。

 救急ヘリは、救急車と異なり、医師が救急現場に赴いて迅速な医療行為を開始するところにその特徴を有する、ひとつの医療サービスの手段である。したがって、その運航費用を医療保険給付の対象に加え、自賠責保険、労災保険を含む保険制度のなかで、負担を分担していく仕組みを検討すべきである。

 なお、運航費用の負担問題は、各都道府県の救急ヘリシステムの構築が、その財政力の如何により左右されることのないよう、国のレベルで全国斉一に検討されるべきである。

3.メディカル・コントロール体制の強化を図ること。

 救急ヘリの普及が進むに伴い、救急現場に駆けつけることのできる医師の確保が困難になる事態を想定して、救急救命士の医療能力の向上を図り、救急救命士による医療行為の範囲を拡大するため、メディカル・コントロール体制を格段と強化すべきである。

4.救急ヘリの高速道路上への着陸条件を現実的かつ明確なものにすること。

 高速道路上における交通事故負傷者等に対するヘリコプター救急を円滑に行うため、高速道路の一定区間ごとにヘリコプターの離着陸の可否を実地に調査するなどして、救急ヘリの高速道路上への着陸条件を現実的かつ明確に設定すべきである。

5.救急ヘリの運航に関する規制の緩和を更に進めること。

 救急ヘリの救命率向上効果が多大であることに鑑み、できる限り救急需要に応じた救急ヘリの活動を可能にするため、病院間搬送にも航空法第81条の2を適用するなど、救急ヘリの運航に関する規制を必要に応じ更に緩和すべきである。

6.「救急ヘリ整備緊急措置法」を制定すること。

 国は救急ヘリの重要性と必要性を明確に認識していることを示し、国民世論を喚起するとともに、救急ヘリシステムの構築のために、国および関係機関が取るべき措置を定めて救急ヘリの全国的な普及を促進するため、「救急ヘリ整備緊急措置法」を制定すべきである。

(HEM-Net、2005.3.31)

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