<朝日新聞論説委員室から>

救急ヘリコプター

 

 元警察庁長官の国松孝次さんが書いた今年の年賀状と力ードは750枚。

 以前は警察関係者が多かったが、スイス大使をつとめてから向こうの知己にカードを送るようになり、帰国後の最近3年問は救急医療の専門家への賀状が加わった。

 03年に特定非営利法人・救急ヘリ病院ネットワークの理事長を引き受けて以来、各地で出会った人々である。

 救急ヘリは、医師と看護師を乗せて病院から現場に飛び、救命医療を施して患者を運ぶ。ドクターヘリとも呼ばれる。

 ヘリコプターを1機配備するには年に2億円かかる。国と都道府県が1億円ずつ負担する仕組みだが、負拍金を出せない県が多く、配備したのは9の道県だけ。これを全国に広げるのが運動の目標である。

 警察庁長官だった95年、何者かに狙撃された。救急車が30分で日本医大付属病院へ運び込んだ。専門医が6時問の手術と1万tの輸血をし、命を救ってくれた。

「救急医療は、いかに速く適切な病院へ運ぶかが勝負。ドクターヘリは最善の手段なんです」。国松さんは力説する。

「全国に50機を配備するには年間100億円の経費がかかりますが、国民1人あたり80円です。それで大勢の命が助かる。医療保険の適用も訴えていきたい」

 大使として赴任したスイスや隣国のドイツは救急ヘリの先進国だった。そうした国々から専門家を招き、24日に東京都千代田区でシンポジウムを開く。今年の活動のスタートである。(清水建宇、『朝日新聞』2006年1月10日夕刊)

HEM-Net国際シンポジウム

「独・瑞・米における救急ヘリ運用の実態」

日   時:2006年1月24日(火)午後1時〜午後5時
場   所:都市センターホテル会議場(東京都千代田区平河町2-4-1)
総合司会:國松孝次(HEM-Net理事長)

主   題:

基調講演(13:00〜14:40)

パネル討論(14:50〜16:40)

特別発言(16:40〜17:00)


スイスの救急ヘリコプター
全国くまなく15分以内に医師を乗せて飛んでくる。
夜間も飛ぶので山岳国スイスにも医療過疎の問題はほとんどなくなった。

(HEM-Net、2006.1.13)

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